採集・キノコ・山菜ハンティング編~キノコ図鑑と顔を突き合わせる「本気の見分け学習キャンプ」~
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はじめに 森で“獲る”喜びは、なぜこんなにも深いのか
山を歩くと、ふとした瞬間に地面の表情が変わります。落ち葉の下に丸く盛り上がった影、倒木の横にひっそり佇む白い傘、笹の間から顔を出す淡い緑色。キノコや山菜に出会う瞬間は、まるで宝探しのようで、何歳になってもワクワクが止まりません。
しかし、ここで大切なのが「見分ける力」です。特に北海道は多様なキノコが生息し、可食キノコと毒キノコがそっくりな種類も多く、図鑑と向き合うことが欠かせません。
今回は、初心者でも楽しめる“本気の見分け学習キャンプ”をテーマに、採集の魅力から安全なハンティングのコツ、アクセス情報、宿泊、グルメまで一気にご紹介します。
1. キノコ採りの醍醐味は「気づく力」が磨かれること
キノコ採りをすると、歩くスピードは自然と遅くなり、森の細部へ目が向くようになります。普段なら見過ごす倒木の裏、湿った土、苔むした岩の上。そこに「きのこ的世界」が広がっています。
特に北海道はキノコの種類が豊富で、
• アミタケ
• マイタケ
• ボリボリ(ナラタケ)
• ハナイグチ
• シメジ類
など、食卓に並ぶものから幻と呼ばれるものまで幅広く見つかります。
しかし、似ている毒キノコも多く、見た目だけでは判断できない種類が多いのも事実。だからこそ、図鑑を片手に、一つひとつ特徴を照合しながら学ぶ時間が“キャンプならでは”の楽しさとなるのです。

2. 旅行者が知っておくべき「採集のルール」と重要ポイント
キノコ採りは楽しい反面、正しい知識と準備が不可欠です。特に旅行者は以下の点に注意してください。
■ 毒キノコを絶対に食べない
「美味しそう」「食べられそう」という直感は絶対に信用してはいけません。北海道では食中毒事故が毎年報告されています。判別できないものは採らない、食べないが鉄則です。
■ ベテラン同行かガイドツアーへの参加が安心
初めての方が単独で採集するのはとても危険です。地域のガイドツアーやネイチャーセンターに参加すると、安全に加えて学びの質も格段に上がります。
■ ヒグマ対策を忘れずに
キノコ採りは「夢中になりすぎる」ことが最大のリスク。視界が地面ばかりになるため、周囲の音が聞こえにくくなります。熊鈴、スプレー、複数人での行動は必須です。
■ 山菜採りの時期は滑落事故にも注意
笹の斜面は滑りやすく、沢沿いはぬかるんでいます。防水性とグリップ力の高い靴が欠かせません。
■ キノコは必要以上に採らない
自然保護の観点から、使う分だけ採ることが大切です。写真で楽しむのも、大人の余裕ある選択です。
3. “見分け学習キャンプ”とはどんなものか
見分けキャンプでは、朝の森歩きから始まり、採集したキノコをベースに
• 図鑑との照合
• 匂い、質感、色の違いを比較
• 生育環境と季節性を学ぶ
• 調理の可否を専門家が判断
といった流れを体験します。
孤独になりがちな「図鑑学習」も、仲間と共有しながら行うことで一気に楽しくなります。「この傘の裏、スポンジみたい!」「この柄、縦線が明らかに違う!」など、小さな発見が会話になるのもキャンプの魅力です。

4. アクセスしやすいおすすめ採集スポット
北海道の中でも初心者が楽しみやすい場所を紹介します。
■ 阿寒湖周辺(釧路管内)
豊かな原生林と遊歩道が多く、ガイドツアーも充実。キノコ種類が豊富で、見分け学習に最適。
■ ニセコエリア
山菜とキノコの両方を学べる地域。観光地としても整っているため、旅行者に人気。
■ 黒松内ブナ林
北海道では珍しいブナ林で、菌類の多様性が高いエリアとして知られています。
いずれもレンタカーでのアクセスが便利ですが、公共交通+タクシーでも訪問できます。
5. 宿泊情報|森の学習にぴったりな滞在先
採集体験をするなら「自然に近い宿」を選びたいところです。
• 阿寒湖温泉の旅館:ガイドツアー連携が多い
• ニセコのロッジ:キッチン付きで採った山菜を調理できるプランも
• 黒松内町の小さな宿泊施設:静かな森の時間を楽しめる
「夜に図鑑を開く」という時間が生まれるだけで、旅の濃度は何倍にも高まります。

6. 山の恵みが味わえるグルメ
採集体験の後は、地元の味で身体を癒やしましょう。
• 阿寒:山菜天ぷら、アイヌ料理
• ニセコ:ローカル野菜とキノコのピザ
• 黒松内:パン・チーズ・山菜料理の組み合わせ
その土地で採れたものを食べると、学んだことが“舌の記憶”として残ります。
7. プラスのアクティビティ
採集に加え、周辺ではさまざまな体験ができます。
• カヌー体験(阿寒湖)
• トレッキング(ニセコ)
• パン作り・チーズ作り(黒松内)
• 星空観察やナイトハイク
「採る」「食べる」「学ぶ」を組み合わせることで、旅の満足度はさらに高まります。
おわりに 図鑑を開く時間は、森と自分を知る時間
キノコや山菜を前にすると、人は驚くほど真剣になります。「これ、何だろう」「この柄の模様は図鑑のどれだろう」……そんな小さな問いの積み重ねは、森の見方を変え、自然への敬意を育てます。
そして何より、図鑑との“にらめっこ時間”が、旅の思い出として静かに胸に残るのです。
北海道の森で、あなたもぜひ“本気の見分け学習キャンプ”を体験してみてください。新しい世界が、必ず見えてきます。